ヒプマイ語り

ヒプマイの好きなところを語り倒すブログです

一二三と独歩について③

【web再録】君の涙が僕の命 - トワ - pixiv

 

この漫画で描きたかったのは、一二三と独歩が姿形は変わったとしてもお互いにその存在を求めあうであろう彼らの魂が混ざりあったような関係です。

二人にとっては生死の状態よりも、お互いに存在を感じられることこそが重要なのではないかと思って、もし一二三が死んだとしてもその関係性やお互いを思う気持ちは変化しないというものを表現しようと思いました。

 

一二三が現実的に死ぬ瞬間をちゃんと話に組み込もうかとも思ったんですけど、表現したいところはそこじゃなくて、ただ「一二三が死んでいなくなることを、独歩が拒む」というところが描けたらいいなと思ってあのような描き方になりました。

(あと薔薇の花びらになって散っていくの、めっちゃ憧れてて…笑  

最期のとき、一二三は独歩に感謝の気持ちを伝えようと夢の世界で独歩の前に現れたんですけど、あんまりにも独歩が切実に行かないでと言うもんだから現世にとどまっちゃったイメージでした。「伊弉冉」って黄泉の国の神様だし、幽霊ぐらいなれてもいいかなみたいなノリで…笑

 

次に独歩は一二三が死ぬとき泣くのか?と考えたのですが、独歩は常に自分の気持ちを無視して「自分が悪い、自分は駄目なんだ」という価値観を補強する事実しか信じようとしないので、自分の「悲しい」という気持ちに気づけないんじゃないのかというところから一二三の死を悲しむ場面を考えました。感情がでかすぎて自分の喪失感に気づけない独歩だったりするのかなと思いました。

あと社畜精神が染み付いているのでこんな状況でも会社には行きそうだなって。で、疲れからいつもの台詞を無意識に発してしまい、一二三の返事が帰ってこなかったときにやっとその感情を自覚するという。

(それはそれとしてめっちゃ悲しんで何もできなくなってしまう独歩とかも全然あり得るとは思うのですが!)

 

幽霊一二三が現れてからはギャグっぽく描けて楽しかったです!この二人コントが合う笑

幸せな日常に見えたらいいなって思いながら描きました。

 

独歩が幽霊一二三の危機に気づくのはもう愛のパワーで、、、(?)

独歩が一二三が現世にとどまる理由なので、魂のつながり的なものがあってもいいかなと。

 

で、最後の二人の掛け合いで描きたかったのは、「他者と関わるということはその相手に影響するということであり、時には相手の行動や心理を縛る行為だ」ということです。そして特に一二三は独歩に対してこのことを意識していると思います。

でも、それ自体に善悪はなくこれはただの現象・事実であり、重要なのはその行為をする人間がどのような目的でそれをしているのか。

そして一二三と独歩の場合この行為によってお互いが救われていて、だからそれでいいんじゃないかということです。

一二三は独歩に対してこの関わり方に負い目を感じている部分はあると思うのですが、それごとひっくるめて独歩は一二三を受け入れて、一二三が自分のそばに居てくれることに感謝しているし、独歩からすれば今更そこを悔いたりしたってもう遅い、「ただ一緒にいたいからいる」「お互いの存在が必要だから」申し訳ないとか思う必要がない、ということを言わせたかったです。

人間は独りでは生きていけないのだから、他者と関わることの不自由さごと抱えていくしかない、そしてそれはめんどくさくて投げ出したくて良いことばかりじゃないけど、でもきっとどこか救いのあることなんだろう、という思いで描いていました。

 

そして独歩の涙で存在できる一二三なので「君の涙が僕の命」というタイトルにしました。もともとは一二三が死んだことに悲しむ独歩の涙によって存在できる幽霊一二三であり、独歩が幽霊一二三に会えて幸せになり泣かなくなると一二三が存続できなくなるどうしようもない話を描きたかったのですが(本当にどうしようもないw)、独歩ってそんなに毎晩泣くかな?とか考えて嬉し涙とか交えつつな感じに落ち着きました。

 

でもさすがに半永久的に泣くのは大変そうなので、そのうち独歩の一部(髪の毛とか)で行けそうだ!と気づく二人であってくれたらいいなとか妄想してます。

「髪の毛でいいのかよ一二三〜、、今までの俺の苦労は…(T^T)」

「いやー、独歩の涙で現界できたからそれしかないんだとばかり!(>▽<)」

みたいな…笑

 

 

 

 

独歩の紹介文の「一二三のせいでひどい目に合うこともあるが、感謝もしている」という部分が大好きで、何かをしてもらうことが当たり前にならない2人なんだというのを感じています。

相手が自分に対してかけてくれた思いや時間、それを毎回ちゃんと大事にできる2人。

忘れそうになったとしてもそのことにちゃんと気づけるし、だからこそこれだけの長い時間を一緒に過ごせるんだろうなと思います。

 

一二三と独歩は私がヒプマイを好きになったきっかけになった2人で、一緒に存在することが前提な関係性がとにかく新鮮で輝いて見えました。

お互いがちょっとずつ救われて、救われているようなこの2人を私なりの世界で表現できていたらいいなと思います。

 

そんなわけで、一二三と独歩がお互いの存在を確認しあおうとする話でした。

少しでも楽しんでもらえたら幸いです!

  

 

(一二三と独歩について①②はこちらです)

hp-twilight.hatenablog.com

 

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